TOP > 会長挨拶

日本川崎病学会 会長挨拶

 皆様、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 濱岡建城前会長の後を引き継ぎ2015年4月より日本川崎病学会会長を拝命致しました東邦大学の髙橋 啓です。身に余る重責ではございますが、伝統ある日本川崎病学会をさらに発展させるため努力する所存で御座いますので御支援の程お願い申し上げます。

 川崎富作博士が本疾患の第1例目に遭遇したのが1961年、50例をまとめて報告されたのが1967年ですから川崎病の発見から50年近い歳月が流れようとしています。一方、本学会が日本川崎病研究会として第1回学術集会を開催したのは1981年ですので、発足から35年もの時が経過しました。さらには、世界中の川崎病研究者が一堂に会して討論する国際会議も1983年以降定期的に開催されています。この間、本疾患は70ヵ国以上から報告され、当初、急性熱性皮膚粘膜淋巴腺症候群、MCLSとして報告された本疾患は、発見者に対する敬愛の念を込めて自然発生的に川崎病、Kawasaki diseaseと呼称されるようになりました。

 本学会の最終目標は、川崎病の原因を明らかにすること、原因に基づいた根本的治療方策を開発すること、そして川崎病の予防法を確立し患者発生をゼロにすることにあります。この目的を達成するため、本学会は、循環器、リウマチをはじめとする小児科のみならず内科、外科などの臨床医学、そして疫学、微生物学、免疫学、遺伝学、生理学、病理学など多岐にわたる領域の専門家により構成され、様々な見地から研究がなされています。しかしながら、懸命な努力にもかかわらず本疾患の原因はいまだに明らかにされていません。

 このような状況のなかで私達は病因究明の努力を続ける一方、川崎病の病態に基づいた早期診断を行い、患者さんの重症度にあった適切な治療を施行することにより生命を脅かす合併症である心血管障害の発生を完全に防ぐ方法を見いださねばなりません。さらには、成人期に達した川崎病既往患者さんの増加に伴い川崎病心血管病変の長期予後を明らかにする必要もあります。

 これら課題を解決していくためには、個々の施設に留まることのないオールジャパンでの協力体制をこれまで以上に構築していく必要があります。本学会がリーダーシップをとって新たな共同研究体制を組織しその成果を世界に発信すると共に、これまでに報告された研究成果についても検証を重ねて参りたいと思います。会員の皆様はじめ関係各位には、大胆かつ柔軟、そして自由な発想の御意見を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

2015年5月
日本川崎病学会会長:髙橋 啓
(東邦大学医療センター大橋病院病理診断科)