川崎富作先生を偲んで

大原関利章
Toshiaki Oharaseki

東邦大学医療センター大橋病院病理診断科
准教授

Dept. Pathology, Toho University Ohashi Medical Center
Associate professor

川崎富作先生の御訃報にふれ、心からお悔やみを申し上げますと共に先生のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

私は入局以来、川崎病血管炎の動物モデルを通して川崎病と関わってまいりました。川崎先生には川崎病学会や川崎病研究センターの研究報告会等で私達が行っている血管炎モデルの話を聞いていただきました。いつもニコニコと笑顔の印象ばかりの川崎先生でしたが、温かい励ましのお言葉と共に「動物実験の限界についても良く考えるように」と少々厳しめにお教えいただいたことがあります。病名に名を残されるような偉大な先生からのお言葉にとても感激しましたし、同時に身の引き締まる思いも致しました。現在、このモデルでは血管炎原因物質等について少しずつ明らかになってまいりましたが、これらの成果を川崎病の原因・病態解明にどのように生かしていくことができるのか、まだまだ課題は山積みです。川崎先生が目指された「川崎病の原因解明と予防法の確立」に少しでもお役に立てるようにこれからも精進していきたいと思います。

川崎先生、長い間本当にお疲れ様でした。どうか安らかにお休みください。

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